不幸な人は、不幸を望んでいる…
もっと頑張れば、必ず結果はついてくる、そう感じた瞬間、
僕の心は硬直してしまう。
成功すること、自分の望みが叶う事を、心のどこかで恐れている。
語学の学習をしながら、そんな気が、ふっとした。
自分は幸福を避けている、それに相応しい人間ではないと、
心底叩き込まれている。 僕の家庭環境は異状だった。
説明しても誰も理解できないだろうし、(例え心理学者だとしても)
小学生の頃から、理解に苦しむ理不尽な怒りを、毎日のように親から
叩きつけられてきた。 布団に入った僕は、眠りの淵を覗き込みながら、
「当然なんだ、こんな自分は叱られて当然なんだ」そう思いながら
不可解な安堵感と共に深い眠りへと落ちていった日々を、
今も鮮明に覚えている。